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ぶよ2005〜そにょ4〜

前回に続いて、昨年読んだ本の話。
某書店の履歴を参照しつつ。
今回は、怪談や妖怪関連の本です。
前回書いてたら、それらの本が結構な割合占めてたのでわけてみました。
これらに関しては年中読んでいる気がするなあ。

くもはち
大塚英志
角川書店

怪談小説かな?
明治期をテーマにした作品で、その時代の持つ怪しさなどがよく表現されている。時代考証もリアル。
柳田をはじめ、八雲、ホームズなど同時代の作家がちらっと出てきたりするのも面白い。
怪談=オカルトと思ってる人は多いみたいだけど、そういう考えでは読むと全く楽しめないと思う。大体それは認識が狭すぎるしね。
それについては、そのうち書くかもしれない。

「超」怖い話 Ζ
平山夢明
竹書房

このシリーズは、今出ている実話怪談形式の中でかなり怖い部類。
描写の残酷さが印象的だが、心理的な後味の悪さも相当のもの。
少し前だと、本当に胡散臭かったり、焼き増し的な要素が強かった実話怪談だが、最近のものは読み物としての質がかなり上昇していると思う。これもその一つ。実話であるかどうかは定かではないが、何かがあったであろうと思わせる凄みがある。
因みに加藤一が共著者だが、履歴には一人しか表示されないみたい。

江戸怪奇(あやかし)草紙
志村有弘
角川書店

江戸時代の創作怪談を中心に現代語訳した作品集。
若干現代語訳がぎこちない部分もあるように感じたが、元の出来が良いので楽しめた。
稲生物怪録がやっぱり存在感がある。

生まれたときから「妖怪」だった
水木しげる
講談社

ゲゲゲの鬼太郎で有名な水木しげるの自伝。
戦争の話や貧乏漫画家時代の話など、暗くなりがちなテーマが多いが、作者の独特のユーモア(?)で、全編にわたってほのぼのしている。
この人自体が妖怪じゃないかと言われるほど変な人だけど、同時に愛すべき人物だと思わざるを得ない。

妖怪大談義
京極夏彦
角川書店

京極夏彦と著名人の対談を集めたもの。
妖怪などについて(概ね)真面目に話している。
妖怪をいるいないのレベルで議論することは、この手の対談本ではまず見られない。意味が無いから。
妖怪は怪談の墓場と言われるように、元々はキャラクターではない。
元来怪異そのものであり、名づけ、姿を与えられることで分類可能になり、畏怖の対象ではなくなる。それを踏まえないと、単なるオカルト本と履き違える。
京極の逆説的な考察、ひねた視点は相変わらずで、そこが面白い。

よるねこ
姫野カオルコ
集英社

かなり怖いとの評判だったが、それほどではなかった。
短編集のような体裁だが、怪談小説はそれくらいがテンポ良く読めるかも。
怪異もだが、人間の怖さを描いた作品が多かった。
岩井志摩子に通じる、女性の書いた怪談の怪しさを感じた。
余談だが、怪談投稿などでも男女間にある共通した違いがあるらしい。
写真関係のブログで、「男性がモチーフをカッチリ捕らえているのに対して、女性は写っている世界を切り取って居るという印象」と書かれていたが、怪談の作風にもその傾向があるんだってさ。
その話は後ほど。

新耳袋
木原浩勝
メディアファクトリ−

現在、密かに怪談ブームらしいが、だとしたらその火付け役は間違いなくこのシリーズ。
実話怪談の中では最高峰。
怪談=霊の話ではないとこれを読むと分かってもらえると思う。
怖いというより、不可解であったり、単に不思議であるってだけの話が多いのも特徴。
一夜で読み終えると、その人のもとに怪が訪れるという噂があり、新聞で書評を書いた評者もそれに触れており、「自分のもとにも怪が訪れた」と記していた。
私には結局そういうことは何も起こらず、このシリーズは昨年夏、十作で完結。
作者は一人しか書いてないが、木原と中山。

闇夜に怪を語れば
東雅夫
角川書店

確か、対談集だったかなあ。
作者は、新耳袋の木原・中山、それと京極夏彦らとともに怪談之怪という集まり(のようなもの?)をしている。
怪談やホラー小説に造詣が深く、その知識が話のところどころに現れている。
この人のアプローチは、怪談を文芸の一形式として取り扱っており、それもまた正しいと思う。怖ければいい、楽しければいいっていうのもその通りではあるが、作り手側はこれぐらいの真剣さはあってもいいと思う。その真剣なスタンスの対談に好感を持った。


今回はこんなとこで。
この周辺のジャンルはまだ偏見が多くて、この手のもの(実際にはどれも全然違うのだけど)が好きだというと、微妙な反応をされることが多い。(メタルなんかもそうだけど)
その胡散臭さが魅力の一つではあるのだが、例えばいる、いないの二元論でしか語られない場合がいまだに多く、それは相当辟易する。
逆に霊感云々もね。
私は、例えば怪談や妖怪ってのは文化だったり娯楽だったり、そういう側面が強いものだと思っているので、かたくなに否定をしたり、肯定したがったりするのはあまり好きではないです。
この手のものは考えるほどに面白くなるのに、そうやって思考停止するのはもったいないと思うのだけどね。
勿論、だれもがそれに興味を持って接するべきだとは思わないけど。
ともあれ、今回はこんなとこで。
ぶよ2005は次で多分まとめます。

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