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金魚の箱

京極夏彦氏原作の映画「魍魎の匣【もうりょうのはこ】」を観てきました。

姑獲鳥の夏に続く、京極堂シリーズの映像化第2弾ですね。
今作は、前作の実相寺昭雄監督から原田眞人監督に
交代しての作品なので、どうなるか不安と期待がありましたね。
前作が、京極作品のムードと実相寺監督の雰囲気が
いい具合に調和した印象を持っていましたし、その路線で
行くのか、全く異なる方法論を取るのかとか。

そのあたりは、ネタバレも含むので追記に記します。
これから鑑賞予定の方は、まだ読まないのが吉かもです。



そうそう、「魍魎の匣」のコミック版も今月発売しました。
こちらも、映画とは別の視点でいい出来でしたよ。


では、感想いきます。
京極作品読んだこと無い人は全くわからない感想かもしれません。


まず、関口を前作と違う役者が演じてます。
永瀬正敏から、椎名桔平になってますね。
永瀬氏がご病気のためらしいです。
椎名氏も良かったと思いますが、自分は永瀬氏の
方が、関口のイメージに合ってたかな。
永瀬氏のオドオドした関口より、椎名氏は堂々と
した感じに見えてしまう感じがありました。
これは好みの差かもしれませんね。

それと、随分端折ってるなーってのが最も気になった
部分かな。
心理描写の部分って原作に比べ、ほとんど描かれて
なかったと思います。
もっとも、元々長い作品だし、心理描写は描ききれない
とは思っていたけど。
映像化が難しい作品だとは思ってたんで、よくまとまってる
なーとは思いました。
ただ、削られている心理描写の部分も含めて、
頼子、加菜子の存在が随分希薄だなって感じでした。
原作で特に印象に残っているのは、この二人のやり取り、
頼子の心理描写なんですよね。
その部分は濃密なので、映像だとテンポ悪くなっちゃうの
かなー。
ちなみに、コミック版はこの辺の心理描写をみっちり
描いてくれているので、興味がある方はどうぞ。
頼子、加菜子、それと陽子のキャストは私には少し
イメージと違ったかもですねえ。
頼子と加菜子のキャストが逆でも良かったかも。
それと、原作で大きなウェイトを占めていた木場の
心理描写も大分減ってましたね。
木場自体、それほど重要な役回りで登場はして
いなかったような気もします。

京極堂も、随分とっつきやすいキャラになってた気がします。
長い台詞がほとんど無いし、妖怪のこともあまり
話さないんですねー。
憑き物落としも淡白な感じ。
原作や前作のような凄みのある威圧感は無かったです。
持っているイメージよりお茶目でしたね。
彼は最後の場面より、中盤の教団での憑き物落としが
見せ場かもしれません。

町並み等は、中国でのロケみたいですね。
前作のダークな感じとはまた違った奇妙な雰囲気が
出ていたと思います。
懐かしいながら、どこか違うぞ?って違和感というか。
奇妙といえば、今回は眩暈坂は登場しないんですねえ。
前作では実相寺監督が鉄骨を地面に埋めて、歪んだ坂を
作ったらしいですが。
研究所はイメージと全然違うなあ。
特に研究所に収容された加菜子、久保にはビジュアル的に
違和感感じたし。
この辺も含めて、実相寺監督ならどう作ったかなあと
思わずにはいられませんでした。
勿論、実相寺監督が作るのはもう不可能なんですけどね。

苦言が多くなりましたが、楽しめましたよ。
こういう部分を楽しむのも醍醐味だと思いますしね。
でも、語弊を恐れずいうなら、原作が好きな人より
原作を知らない人の方が楽しめるかもしれませんね。
ビジュアル面では、すごくよく出来ていますが、
原作を知っている人はもっと濃密な中身を期待する
んじゃないかと思いますし。
そうそう、最後の「ほぅ」のシーンは印象的に描かれてるのか
原作のイメージ持ちすぎてて、自分には判断しかねました。
他の人はどう感じたのかなー。

テーマ曲は東京事変の「金魚の箱」でした。
使われたのはエンドロールの部分でちょっとだけみたいな感じ。
個人的には、椎名林檎関連の曲では「眩暈」がこの作品に
一番合っているんじゃないかなーって思います。
それとパンフは映画のパンフっていうより、一般の書籍っぽくて
読み応えありました。


多分、原作やコミック版とは目指しているベクトルが全く
違うので、その部分を気にしなければ十分楽しめる作品
だと思います。
勿論、原作との違いを楽しむっていう点でも、ファンは
楽しめるかと。
これを観て興味もたれた方で、もっと濃密な闇を堪能
したい方は原作版もどうぞ。
やたら長いので、お手軽なコミック版もオススメしますよ。


ぴよこの本棚

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コメント

>mutuhaさん

映画化はやはり難しいですよねー。
京極作品の完全再現は、映画の枠では
難しいと思います。
長さに関してだけでも、一作作ろうとすると
スターウォーズのように、続編にでもしないと
無理かもですねー。
今作が好評なら、次回以降もシリーズ化
するんじゃないでしょうか。
キャストも年を取ったり、色々あるんで
また役者の交代はあるかもですねえ。


>りおんさん

はじめまして!
コメントありがとうございます。
新作、早速観にいってきましたよ。
私も、シリーズ化は無いだろうと思っていました。
驚きですよね。
前作の実相寺監督も亡くなっていますし。
今回の映画化自体は、結構前から聞いていたんですが、
なかなか公開時期がはっきりせず、やきもきしたものでした。
映画に関しては、原作とは全然別物だと思いますが、
これはこれでいいのかもと思いました。
是非、楽しんできてください。

投稿: ぴよこ | 2007年12月28日 (金) 06時53分

はじめまして。
BlogPetのぺた経由で来ました。
新作、もうご覧になったのですね。
前作で京極堂シリーズはやはり映像化が難しいと思いましたので、
まさかシリーズ化するとは驚きました。
原作との違いを楽しむ、というのはたしかにありますね。
わたしも楽しみに出かけようと思います。

投稿: りおん | 2007年12月27日 (木) 11時22分

第2弾ですね〜^^
映画化するとは思わなかったです。
難しそう。。。
これからもするんでしょうか^^?

投稿: mutuha | 2007年12月25日 (火) 15時42分

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