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Laid To Rest

一年くらい前に買った「METAL A HEADBANGER’S JOURNEY(メタル ヘッドバンガーズ・ジャーニー)」のDVDをやっと観ました。
人類学者でメタルファンでもあるサム・ダンによるメタルドキュメンタリー映画です。

(注:ネタバレあり)



すごく面白かった。
「何故メタルは嫌われるか」っていうテーマを掲げてはいたけど、それはあくまで作品の名目的なものと言った感じで、純粋にメタル好きならば楽しめるドキュメントとして観たほうがいいかも。

サム・ダンが世界中を飛び回って、様々なアーティストや、ジャーナリスト、ファンなどにインタビューをして考察をするんだけど、それが一つ一つ面白い。
個人的には、ロブ・ゾンビの「メタルファンにとって、あの夏はSLAYERだったな、っていう概念は存在しない」って旨の言葉や、ディー・スナイダーとティッパー・ゴアの歌詞検閲のやり取りがすごく印象に残った。
「あの夏は〜」って発言だけど、すごく納得。
今のファンは知らないけど、メタルファンというのはある種特殊で、一度好きになると、一生そのバンドを好きなような気がする。
自分に照らし合わせて考えると多分そうかなって思う。
エクストリームなメタルが、現状世間のトレンドとはかけ離れているから、そう感じるのかもしれないけど、多分メタルファンはある種、世間一般の流行で音楽を選ばない傾向はあるんじゃないかと思う。
そして、その選んだ音楽、カルチャーに異常な愛着を持つというか。

また、ロブ・ゾンビの「メタルを聴くのは大抵変な子と言われる子供だが、だれだって望んで変な子になるわけじゃない」って旨の発言も興味深いと思った。
半分同意、半分?な感じだけど。
多分、そういうケースもあるんだろうけど、進んで他の人と少し違うものを選びたいっていうのも、メタルファンの心境にはあるんだろうなっていう風にも思う。
まあ、それはやっぱり変と言えば変なのかもしれないけど。
ただ、これは日本と海外のメタルファンの状況の違いも結構あるのかな。
初めの方で「メタルのリスナーは自分は変じゃないって主張するために〜」云々って別な人が言ってたし、そういう側面はあるのかも。

ただ、この作品はメタルの根幹的な部分は網羅しているとは思うけど、90年代以降の状況はほぼ手付かずってのは気になったかな。
確かに、「何故メタルは嫌われるか」って主題を設けた場合、メタルが不調だった90年代の状況を持ち込んでも、根本的な主題とはズレが生まれるとは思うし、2000年以降はそれほど嫌われた音楽というイメージはないからね。
単に、尺が間に合わないとか、それ以降を重要視してないってだけなのかもだけど。

あと、自分の主観を少し書かせてもらうと、メタルって今は結構市民権得てるよね。
少し前はダサい音楽の代名詞的存在だったけど。
近いものというと、オタクじゃないかと思う。
オタクも少し前と比べると、すごく市民権を得たし、オタクを自称してもよほどコアじゃない限りは、白い目で見られることはなくなったよね。
自分が上京したばっかの時、こっちで出来た知り合いにメタル好きだってだけで引かれたもんだけど。
んで、このDVD観て、メタルファンて本来こういうものだと思うけど、でもやっぱり今はファンでもこういう熱心な人は減ったよねってこと。
前に書いたのと少し矛盾するかもだけど、今の風潮だと、結局若い頃に自分のキャラ作りや、周りとの差別化で聴いて、どこがいいのか分からず、大人になって若気の至りみたいに感じるってのはあるんじゃないのかな。
オタクを例に出したけど、これもそうだよね。
少し前なら、オタクは自分の好きな分野にはすごく特化した知識があるって印象だったけど、今はそうじゃないもんね。
記号的なものって感じがする。
ネットに繋げば動画サイトやWikiで大抵調べられたりして、誰でもオタクだって言えるからね。
それがいいとか悪いとかではなくね。
今は、好きなことに必死になれる人も減っちゃったのかなとか、少し知っていても、すごく知っていてもオタクやファンって括っちゃえば一緒なんだなとか思ったりしたのでした。
自分は、そういう意味で、恐れ多くてオタクとかファンて自称するのは控えてたつもりなんだよね。
勿論、全然興味の無い人から見たら、私の言ってることってマニアックに思えるのかもだけど。

まあ、好意的に解釈すると、そんだけ価値観も多様化して、他人を許容できる風潮になったということでしょうか。
かつてSEX MACHINEGUNSに対していい感情持たなかった自分も、今はメタルがもっと酷いディフォルメされたDMCが人気でも、別になんとも思わないからね。
(周りがみんな評価してるのに、自分が一コマも笑えないので、少し悩んだりもしたけど)
というか、みんな単に他人に興味が無くなったとか、生きるのに精一杯だとかそういうことなのかもしれないけど。
もしくは、自分だけがそういうことを気にして、周りは特に気にしてないとか、自分の単なる気のせいって可能性もあるかも。
書いてて、自信が無くなって変な結論になりましたが。

それと続編の「GLOBAL METAL」が今夏上映されます。
サイトで予告みたら、かなりワクワクした。
日本も登場するみたいです。

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コメント

下の続きです。

少なくとも、おしゃれな音楽ではないですし、自分はむっつりと聴いてた感じだったんで、その点では非常に浮いてましたね。
でも、そういった時期も真面目に聴いてはいたんで、アニメタルとか、王様とか、SEX MACHINEGUNSとか許容する余裕はなかったです。
馬鹿にすんなとか、こんなの聴いたら世間の奴らがメタル馬鹿にすんだろうが、とか思ってました。
んで、メタルを馬鹿にしてるようなやつがSEX MACHINEGUNSは聴いてるってこともよくあり、憤ったりもしてましたね。
暗い青春という感じでしたが。
DMCのメタルに対するディフォルメはもっと酷いですけど、今は別に気になりませんね。
自分も周りのメタルに対する目も変わったでしょうし。
でも、別にMDに何が入っててもいいかもですよ。
アニソンとかも今はメタルっぽいの多いですしね。
自分のiPodにも、木村カエラからBlack Sabbathまで入ってますよ。

投稿: ぴよこ | 2008年8月 8日 (金) 00時50分

長いので2回に分けます

>mutuhaさん

こんばんは。
物にもよるけど、多分世の中は良いイメージより悪いイメージが先に来るように出来ているような気もします。
メディアに関してはより顕著かもですね。
そのせいで、高評価の場合は提灯記事か?って疑ってかかってしまう部分もあります。
何事に関してもそうですけど、そういうことには疑問を持って考えてみるのもいいかもしれませんね。
まあ、日本じゃイメージしづらいかもですけど、海外では過去にかなり弾圧された音楽ですから、海外のファンは日本とは別な意味での苦労もあるでしょうね。
メタルは日本では、Xとかデーモン閣下とかのイメージが強いと思いますし、多分マンガとかで書かれるのも、そういう派手で退廃的なイメージか、猟奇的なイメージ、または冴えない奴とか、そんな感じで書かれることが多いかもですね。
全く的外れでもないんだけど、これは勿論偏見です。
ある記者が日本ではメタル、及び激しいロックは根本的には根付かないって言ってて、自分もそう思います。
例えば、ビジュアル系はメタルをベースにしているバンドも多いですけど、それはおそらくメタルという文脈で語られないから比較的受け入れられているんではないかと思います。
また、マーティさんも、日本のヒット曲にはメタルの要素があるって言ってて、納得する部分はありますが、それもメタルの文脈じゃないから受け入れられているという部分はあるでしょう。
日本にこういった激しい音楽が好きな層は確かにいるんですよ。
でも、メインストリームではない。
アメリカのように、SOADがチャートで1位になったり、マーズヴォルタ、コヒードアンドカンブリアのようなバンドがチャート入りするような土壌は日本にはないです。
以前よりは、ましになってるのかもですが、今後しばらくはそういう状態でしょう。
そういう意味では、自分もそうでしたけど、ヒット曲も知らずに、みんなが知らないうるさい曲を聴いているという意味では、周囲に変わった子だと思われてる可能性はあります。

投稿: ぴよこ | 2008年8月 8日 (金) 00時47分

ぴよこさん、こんばんは^^

マイナスイメージの方が先走ることって
よくありますね。
そう考えると、なぜマイナス部分だけ。。。って思います。
でも、結局メディアなんかはプラスの部分ってあんまり言わなかったりするんですよね><
なので、一方だけのイメージで見たりすることって多い気がします。
メタルも映画とかドラマとかで、変な子(?)が聞いてだる音楽がそうったり、そういう先入観がありました。
けど、実際はそんなこともなく。。。ですね。

というかSEX MACHINEGUNSがメタルに位置づけられているのに今日気づきました(゜Д゜;)!
何気に聞いてたりしたんですが、メタルだったのか。。。
まりちゃんずと一緒のMDに入れてるのはまずいかもしれない。。。
などど思うmutuhaでした。

投稿: mutuha | 2008年8月 7日 (木) 22時32分

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